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シーラントとは?

シーラント-thumb.jpg虫歯になりやすい部位は大きく分けて、①噛むところの溝、②歯と歯の間、③歯と歯ぐきの境目です。
このうちの①噛むところの溝を樹脂で埋めてしまう処置をシーラントといいます。
当院ではフッ素除放性(徐々にフッ素を放出する性質)のある白い樹脂で、歯の表面を清掃、薬剤処理をした後に歯を削ることなく溝を埋めます。

特にシーラントに有効なのは、萌出したての永久歯、乳歯です。生えたばかりの歯は歯質が弱く虫歯になりやすいのです。当院では6~7歳くらいで奥歯に6歳臼歯が萌出していればシーラントを推奨します。

シーラント処置をするのに年齢制限はありませんが、保険で認められているのは、初期の虫歯と診断された乳歯、生えたての永久歯です。

また、シーラントは永久に持つわけではありません。すり減ってきたり、かけたりしますので、シーラントをやり直したりと、検診が必要になります。お子様にもよりますが、おおよそ2~3年くらいは持つだろう思います。

費用は初診、再診時で違いはありますが、上下左右6歳臼歯にシーラントを4本した場合、3割負担の計算で1本500円前後の負担金となります。

フッ素塗布について

フッ素.jpeg
フッ素(F)は自然界に広く存在しているもので、人体や土の中、海水や川の水、植物や動物などに含まれている元素です。フッ素単体で存在することはまれで、私たちが利用しているのはほとんどがフッ化物です。

フッ素の働きとしては、大きく分けて3つあります。
(1)歯質を丈夫にする。
これはフッ素が歯の表面のエナメル質に取り込まれることで、主成分であるハイドロキシアパタイトの構造がよりしっかりと安定し、酸に溶けにくい強い歯がつくられていくからです。

(2)口の中の細菌の働きを弱める。
細菌は糖を取り込み、分解して酸をつくるわけですが、フッ素は糖を分解する酵素の働きをじゃまする性質を持っています。

(3)初期虫歯(CO)を治すことができる。
唾液中に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンと一緒に、酸に攻撃された歯の表面にくっつくことにより、再石灰化を助けて脱灰部分を元に戻そうとする働きがあります。

とくに生えたばかりの歯は、より多くフッ素を取り込みやすい性質を持っているため、子供のうちからフッ素による予防が大切だと考えます。

フッ素はにんじん、緑茶、紅茶、エビ、いわし、貝、みそ、わかめ等に多く含まれています。
虫歯予防のために食品からフッ素を摂る、というよりは、歯科医院でのフッ素塗布やフッ素入り歯磨剤を使う方が効果が高いでしょう。

歯科医院で扱うフッ素は濃度が高いので3〜4ヶ月に一度、フッ素入り歯磨剤はそれに比べて濃度は低いですが毎日のことですので効果は期待できると思います。

また、歯磨剤の利用が難しい、幼児や高齢者にはフッ化物溶液を噴霧状態で直接歯に作用させるスプレーもあります。

フッ素は萌出直後が最も効果的ですが、大人の歯にも効果があります。歯周病等で歯ぐきが痩せてきて、歯の根もとが見えてきたところの虫歯予防にもフッ素は効果を発揮します。